2023年7月4日に掲載された記事です。
その内容はというと
・「介護業界の労働環境向上を進める労使の会」が先月末、見守りセンサーやロボット、AI、ICTといったテクノロジーの介護現場への導入について集団協定を締結
・「この集団協定は、経営側として働く方々のために“人減らし”や賃金カットなどをしないという決意の表れ」
・テクノロジーを導入する目的は職員の負担軽減やサービスの質の維持・向上が第一義。
社会的地位の向上に資することが目標のようですが、どうやって地位向上をするのか
大手の45法人が参加しているので、一定の効果はありそうですが・・・
中でも気になった文章は
「介護現場には若い職員が少ない。将来に希望を持てる業界にしてそこを変えないといけない」と強調、の部分。
ただ
令和2年介護サービス施設・事業所調査の概況のデータでは36.5歳でめっちゃ若いんですよね・・・何故なんでしょう?
本記事ではその理由を解説してみました。
ニュースの内容
テクノロジーの導入は人員削減とセットで考えられており、それはサービスの質や安全性の低下、既存職員の負担の増大を招くのではないか − 。
今回の協定は、こうした懸念の声が各方面から噴出していることを踏まえたもの。
労使で共通の価値観を持つことで、現場を覆う不安を払拭していくことを目指しているという。
介護職員の平均年齢は高い?
令和2年介護サービス施設・事業所調査の概況のデータでは36.5歳となっています。
思ったより若い年齢ですよね、というか一般的に言うと若い人材が多いと言える気がします。
ですが、調査元は厚生労働省のデータ、調査施設が優良施設である可能性が高いです。
検索してみると
介護業界全体の平均年齢 45.9歳
訪問介護員の平均年齢 54.3歳
全職種の平均年齢 46.7歳
となっていました。
実際に全職種の平均年齢より、ちょっと若いんですよね、介護業界。
では何故記事では
「介護現場には若い職員が少ない。将来に希望を持てる業界にしてそこを変えないといけない」
と言われたのか。
実際に介護現場の声では高齢化が進んでいるとよく聞きます。
特に訪問介護では70歳以上のヘルパーも働いていますし、老々介護にもなってきています。
若い介護職員はどこにいる?
介護職員で年齢が若い職員は養成校出身の介護職員です。
介護福祉士の養成校は減少傾向にありますが、いくつかの形でまだ維持されています。
・高校
・専門学校
・短期大学
・福祉系大学
の4つです。
特に高校の場合、18歳から勤務することになりますので、かなり年齢は若いです。
福祉に進まない学生もいますが、一定数は若い人材が介護業界にはいっています。
ではこの若い職員はどこで働いているかというと、主に実習先で体験をした介護施設です。
要するに若い介護職員が働く環境であるためには、ポイントとして
・養成校がある地域である
・実習の受け入れをしている施設
この2つの条件がないと、若い職員は入社しません。
そもそもいないんですから💦
介護職員の高齢化が目立つ理由
養成校がない地域では、若い介護職員はまずいません。
いたとしても少数であり、加えて女性の割合が非常に多くなります。
逆に養成校では男性の比率が高くなっており、今では女性より男性の学生の方が多いです。
介護保険初期のころは男女比率1:9位でしたが、ずいぶん変わりました。
若い職員が増える要素がないため、今働いている職員のみで支えることになり、結果としてどんどん職員の高齢化が進んでいきます。
特に人口が少ない地域、高齢化率が高い地域などではその傾向は顕著になりますね。
養成校の学生は取り合い
介護の実習先となっている施設も、働く選択肢自体が介護のみではない上、2年から3年様々な施設に学生は実習にいきます。
その中から選ぶ可能性が高いとはいえ、対象は複数ありますので競争です。
そのため、魅力ある施設でなければ若い職員は中々きません。
そのため、新卒が毎年入社している施設は、かなり人材確保に頑張っている施設と言えます。
まとめ
若い介護職員を増やすには介護業界の魅力を高めていく必要があります。
若い職員は養成校からしかきませんので、介護職で働くという選択肢をもてるように若い頃からの意識付けが必要になるのですが・・・できるんですかね(・・?
収入面など魅力がなければ、介護職の選択肢自体が難しいと思われます。
大分介護職員の待遇改善は進んでいますし、一般の中小企業の平均年収位はいくようになりました。
あとは働き方のホワイト化を進めていけば、希望はあるかもしれません。
いかがだったでしょうか?
若い職員がどこにいるのか、何故近隣にはいないのか、その理由について説明してみました。
皆様の参考になりましたら幸いです。
ありがとうございました。